おたまさんの体験記

右足人工関節全置換術(MIS手術)  2006年5月
                           
                                          TOPへ    
   1  2  3  4  5  6  7  8

  


  
   C入院日記

    
 5月17日(水)  入院第1日目 

      11時関空発の飛行機で、札幌に飛び立った。午後2時半、病院着。
      さあ、いよいよ新しい股関節とのご対面だ。
      ナースセンターに着くとS看護師長さんが、私の荷物をお部屋まで運んでくれ、
      部屋の使い方の説明等をしてくれる。
      荷物をほどき、部屋に整理をし、落ち着いた頃、O看護師が、入院に関しての
      オリエンテーリング。
      3時半から1時間ほど、I先生から、手術全般についての説明を受ける。
      その時、私の骨は細いので、手術で入れる人工股関節は
      説明時に見せてくれた物より細めの物を別に用意してくれているとのこと。
      (手術後わかったことだが、他の方達のアメリカ製、私だけイタリア製とのことでした)

      空いてる時間に、売店に行き入院中必要な物で「T字帯・マジックハンド・
      ストロー付きシールコップ」を購入。

      10時半、眠剤を飲み就寝したが、眠りが浅く、看護師さんが夜巡回してくれるたびに
      気がついていた。

    
5月18日(木)  手術前日 

      前夜からの眠りが浅く、夜中の3時半頃から起きて、ごそごそ。
     パソコンの用意をしたり、デジカメの充電をしたり、ラジオを聞いたりしていたら
     外が明るくなってきた。
     読書をしたり、携帯でメールをうったりしていたら、早朝5時45分、
     看護師さんが来て採血。
     自己貯血した血と一緒かどうかの確認のための採血らしい。

     10時、I先生の回診。術足の右足に、ご自身でネームを付けてくださる。
     (これは退院まで外せないとのこと)
     「術足は右ですね。」と確認されて。

     午後から、麻酔科へ行き、麻酔科の先生から手術時の麻酔についての説明を受ける。
     リハビリセンターでは、術前の筋力測定を行う。
     午後4時頃、薬剤師のA先生から、手術中、手術後に使う薬についての説明がある。
     午後6時半、手術室担当のT看護師より明日の手術についての説明を受ける。
     いよいよという感じ。

     薬剤師のA先生に、前夜よく眠れなかったことを話したら、「環境が変わっているし、
     手術のこともあるので、眠りも浅いのでしょう。
     眠剤を変えてみましょう。」ということで、この夜から、眠剤が変わる。
     更年期障害もあるので、夜8時半に精神安定剤、就寝時の10時に新しい眠剤を飲む。
     お蔭で、この夜は、前夜より眠ることが出来た。

   
5月19日(金)  手術当日

     5時半起床、シャワーを浴びる。今日の手術は3人。私は2番目とのこと。
     7時15分浣腸。
     朝食は抜きで、その後点滴。排尿。T字帯を身につける。
     病室で、麻酔の前段階の注射をし、いよいよ手術室へ。
     手術室へ入ったのが「11時10分」というのを、手術室の時計ではっきり見て覚えている。
     右股関節のレントゲンを撮り、背中を丸めて麻酔注射をし・・・・
     その後は全然意識にない。

     気がついたら病室。13時半でした。(手術に何時間かかったのか、聞きそびれています。)
 
     術後の採血。
     麻酔が覚めきるまでは、頭を急に動かしたり、起きたりしないで、ベッド上安静。
     足には足の裏をマッサージする機械がついている(1日3時間動くらしい。)
     手術した足には弾力ストッキングをはいている。
     30分から1時間おきに、機械で血圧・脈拍を測定。腕には点滴。
     16時過ぎ、I先生がお見えになり、レントゲン写真を見せてくれ、
     手術が順調に終わったことを教えて下さる。
     その時電動ベッドを上部のみ直角まで起こしてくれた。
 
     両足の間には1ヶ月は足枕を挟んでおくこと。これは術足が内側に入り込まないため。
     点滴は続いていて、自己貯血した血液や手術中に出た血液を体の中に戻してくれていた。
 
     夕食も食べられなかったが、(この日は1日食事抜き。)お腹は全然すかなかった。
      術日の夜は、眠剤を飲んだが、うつらうつら。痛み止めを上手く使ってくれていたので、
     痛みは無し。
ただ、上ばかりを向いて寝ていると、腰が痛くなって来る。
     それで、左を向こうとするが、これは必ず看護師さんをナースコールで呼ぶように言われている。
     一人ですると危険とのこと。何度も呼ぶのも気の毒だけれど、「遠慮せずに呼んで下さい。」と
     やさしく言ってくださったので、看護師さんに見てもらいながら、体の向きを変える。
     が、横向きは長く続けられず、すぐ上を向いてしまう。
     そんなくり返しで、この夜は、だるく、しんどく、厳しく、長い夜だった。

   
5月20日(土)  術後1日目

     8時朝食。パンと、牛乳とおかずを3分の2くらい食べる。
     午前中、ベッド上で、ずっと点滴。手術中に付けていた、尿管を抜く。
     昼食も3分の2くらい食べる。
 
     さあいよいよ、歩行器で歩いてトイレに行く練習。
     尿管を抜いてくれ、歩行器に掴まって歩こうとするが、お尻のあたりが痛いし、顔、胸などが
     チリチリしてくるし、体は硬くなってきてダウン。
     どうも、更年期障害の自律神経の乱れも出てきたらしい。
     仕方なく、再度、尿管を付け、ベッドへ。
     午後、もう一度挑戦したが、あえなくダウン。
 
     Apa−kabarのMさんがお見舞いに来て下さる。
     夕食はしんどくて、食べられなかった。
 
     就寝前、ようやく元気になり、歩行器に掴まって立ったまま一人で顔を洗ったり、
     歯磨きをしたり、トイレに行けるようになった。

     9時半、眠剤を飲んで就寝。この夜は足も楽になり、しんどいが、
     自分で体位を変えることも出来た。
 
   5月21日(日)  術後2日目
 
     朝5時半採血。朝食は半分くらい。洗面、歯磨きは椅子に座って行う。
     その後ベッドに戻るのが、まだまだ一苦労。ベッドの上で、どっと疲れが出た。
     午後、歩行器で、遠くのトイレに歩いて行く。歩き方が綺麗といわれ、嬉しかった。
     が、夕食もあまり食べられず、体の疲れがあり、しんどい。
     熱が37、4℃。
 
     リハビリは、術後が土曜日、日曜日だったためお休みだった。
     本来なら、翌日からリハビリがあるらしい。
     でも、私は、2日間リハビリがなくて助かった。とてもしんどくて出来なかったと思う。
 
   5月22日(月)  術後3日目 
 
     朝の体温36、6℃に下がっていた。
     体の動きは時間はかかるが、少しずつ楽になってきた。点滴はまだ続いている。
     いよいよ今日から、リハビリ開始(リハビリ室は2階)。
     初日にしては、心配していたよりも痛くなかった。
     行きは歩行器で、帰りは杖で病室(病室は8階)までリハビリの先生と一緒に帰ってくる。
 
     その後、初めてのシャワー。洗髪をし、さっぱり。
     手術の傷口の大変さにびっくり。鼠警部と臀部一面の内出血にもびっくり。
     ももの腫れもひどい。
これを見て、やっぱり大手術だったんだなあと実感した。
      (手術前のI先生の説明だと、ももは腫れてくるが、だんだん腫れも引いてくる。
       内出血もしてくるし、ひどい人は足先まで血液が下りてくるらしいし、
       内出血の色も真っ黒の人もいるらしい。後日談だが、私は青黒いくらいの色で、
       場所も、膝の後ろぐらいでいつの間にかなくなっていた。腫れも看護師さんの話では、、
       そんなに腫れていなかったらしい。)
 
     私の受けた手術は、出血は体が自然に吸収してくれるのを待つ方法らしい。
     以前は足に管を通して内出血した血を外に出していたそうだ。
 
     夜になって、胸がドキドキしてきて、食後、疲れが出てきた。
     リハビリと初シャワーで、疲れたのだろうと思う。
 
     昼間、Apa−kaberのメル友、Dさんがお見舞いに来て下さった。
     MさんもDさんも、初めてお会いしたとは思えないような親しみを感じ、楽しくおしゃべりでき、
     嬉しかった。
 
   5月23日(火)  術後4日目

     朝、37、1℃の微熱。朝食時だるく食欲なし。
     10時頃座薬を入れる。(私は入院中、よく座薬のお世話になった。そのお蔭で、
     痛みはほとんど苦にならなかった。)
     術足の腫れも冷やす。
     11時からのリハビリをキャンセル。リハビリ担当のK先生が心配して、
     病室まで見に来て下さる。有り難い。
     熱37、5℃迄上がる。氷枕をもらう。
     昼食ようやく半分いただく。下腹部が痛くなりO看護師に見てもらうが異常なし。
     排便後腹痛治る。
     14時、下肢静脈エコー検査。異常なし。 
     コインランドリーで洗濯(洗濯に行く時は荷物があるので、歩行器を使って行った。)
     ベッドで本を読みながらうつらうつら。10時就寝。
     この日は1日、体がしんどく、だるかった。
 
   5月24日(水)  術後5日目
 
     朝食後の体温37、1℃。
     Mさん、二度目のお見舞いに来て下さる。
     1時、2回目のリハビリ。2階の廊下に無料のパソコンを発見。(入院中、3回ほど楽しんだ。)
     シャワーを浴び、洗髪。
     4時、I先生の回診。異常なしとのこと。
     夕食後の体温37、2℃。
 
   5月25日(木)  術後6日目
 
     朝、5時半、採血
     朝食後しんどく、寒い。体温は36、7℃。
     更年期障害の自律神経の乱れのようなので、精神安定剤を飲む。
     9時過ぎ、I先生回診も、しんどくて話をするのもおっくう。
     I先生は、「Oさんは更年期障害があるので、気をつけて。」と看護師さんに指示。
     11時過ぎ、ようやく落ちつく。
     レントゲン、CT撮影。しんどかったので、看護師さんが、送り迎えしてくれる。
     昼食後も精神安定剤を飲む。体温、37、2℃。
     2時半からのリハビリをキャンセル。
     夜7時、I先生の回診。レントゲン、CTとも異常なしとのこと。
     先生曰く。「退院しますか?」とのこと。
     私、慌てて、「退院までおいて下さい。」とお願い。
     それくらい順調なようだ。
 
   5月26日(金)  術後7日目

     昼食後、少し元気が出る。
     N看護師より、靴下のはき方を教わる。S看護師長様子を見に来てくれる。
     更年期障害の様子を心配くれたみたい。
     昼食後も精神安定剤を飲む。その後、よく眠れる。
     16時、リハビリ。歩く姿勢はよいとリハビリのK先生より言われる。
     18時50分、I先生回診。退院後、飛行機に乗って帰るので、
     人工関節の証明書を依頼したら、
レントゲン写真のコピーをしてくれる。
 
   5月27日(土)  術後8日目
 
    9時45分、I先生回診。傷口の絆創膏をはずしてくれる。
    私は傷口はどのようにして塞いでいるのかと思いお尋ねすると「接着剤ですよ。」とおっしゃった。
    「え、接着剤?紙をのりで貼るのと一緒ですね。」と思わず言ってしまった。
    「端の方が少し、絆創膏をはがすときにはがれたので、バンドエイドを貼っておきましょう。」
    とI先生。
    何だか、とても簡単そうに聞こえた。(昔は、ホッチキスだったのにね。)
 
    午後から、医大病院近くのライラックの花を撮影したくて、初めて外出。
    しかし、病室から病院の入り口までの距離を、杖で歩いただけで右膝が痛くなり、
    左脇腹が痛くなってきた。
    行くのをやめようかと思ったけれど、5月のライラックなんて、今しか見ることが
    出来ないかもしれないと思い、
一歩一歩しんどいのを頑張りながら歩く。
    道は傾斜があり、でこぼこ。人が歩いているのでぶつからないように気をつけながら、必死で歩く。
    念願の紫のライラックの花をカメラの収めた。
 
    退院は3日後。I先生とお会いできたのはこの日が最後だった。
 
   5月28日(日)  術後9日目
 
    リハビリも、土・日はお休み。退院に向けて、帰りの荷造りの支度。
 
   5月29日(月)  術後10日目
 
    10時、リハビリ。Dさん、2度目のお見舞いに来て下さる。
    近くの郵便局に車で連れて行ってくれる。
    お風呂の入り方の実地指導。
 
   5月30日(火)  術後11日目(退院
                                                      
    退院の日。退院証明書をもらい、最後のリハビリを受け、退院。
    本当は、もう1週間入院していたかった。
    入院中、体調が悪い時リハビリが2回抜け、足に自信がなかったからだ。
    この思いは、退院後、痛切に実感した。
 
    当日は、ホテルに泊まり、翌5月31日に帰宅。
 
    遠くからの入院・手術、しかも一人でということでしたが、不安もなく、無事に退院できました。
 
   5月31日  (退院後1日目)
 
     退院した翌日、帰宅の日。
     ホテルは、札幌駅から徒歩3分のところに取ったが、杖をつき、
     鞄を転がしながら歩くのがとてもしんどい。
     わずかな距離だが、ホテルの人に事情を話し、タクシーを頼んでもらう。
     タクシーの運転手さんも、親切に、近距離を札幌駅まで行って下さり、
     荷物を階段の上まで運んで下さった。
     徒歩わずか3分の距離が、ものすごい負担だった。
 
     又、新千歳空港内は、大阪行きのゲートまでの距離が長く、
     ゲートに行き着くまでがとてもしんどく苦労した。
     床に絨毯が敷かれているので、鞄の下の車輪が動きにくい。
     力を入れたくても、左に杖をつき、右手で鞄を押しているので、力が入らず、
     この間の移動に難儀した。

     大阪までの飛行時間が2時間。この間、狭い椅子に座っておくのも大変でした。
      が、本当に大変なのは、帰宅してからでした。(T_T)

                                                   つづく


              戻る               次へ