88歳の母の股関節手術
《 電話 》
2006年12月上旬、兄の家の義姉から電話がありました。
同居している88歳の母が、ここ1〜2ヶ月で急激に歩けなくなった。
地元の総合病院の整形外科を受診した処、股関節が悪いことが判った。
ドクターは、「今は母の年齢(88歳)でも手術が出来て歩けるようになるので、是非手術を
受けるように!」と勧めてくれて、E病院への紹介状を戴いた・・・との話でした。
股関節が悪いことが判ったのは、いよいよ痛みに耐えかねた母が義姉に「ここが痛い」と
足の付け根を指したので、義姉は、もしかして義妹(私)と同じ股関節では?と思って
病院へ連れて行ってくれたからでした。
母が股関節が悪いことは、それまでは全く判りませんでしたし、母も足が痛いことを誰にも
云いませんでした。後日、何故言わなかったの?と訊ねた時、齢をとると誰でも何処か此処か
痛くなるものだと思ってシップを貼ったり痛み止めを飲んだりしていた・・・というのでした。
母の世代の女性は我慢強いけれど、長い間どんなにか痛く辛かっただろうと思いました。
家族・子ども達で相談して、早急にE病院で母を診て貰うことにしましたが、
◇母のように高齢(88歳)でも、手術は可能なのだろうか?
◇本当に歩けるようになるのだろうか?(そのまま寝たきりになるのでは?)
◇母は40年ほど前に右腎臓を摘出していて、残っている左腎臓も年々機能が弱って
来ているので、手術に耐えられるだろうか?
◇年齢相応とはいえ物忘れがひどく、入院生活が送れるだろうか?
等々の心配がありました。
私にはその他に(、姉兄たちには黙っていましたが)
◇手術が上手く行っても、母は、術後、脱臼しないように注意しながら生活が
出来るだろうか?との不安もありました。
《 受診 》
12月中旬にE病院の外来を受診しました。
病院に来た母はすっかり憔悴していました。介護しながら車の助手席から車椅子へ移るのも、
診察・検査で車椅子から立ち上がるのも辛い状態でした。
診察では、
◇両足臼蓋形成不全で、右は軟骨が無くなっている。
◇体重の懸かるところに骨膿包が出来ているので、痛みで体重が懸けられず歩けない。
との診断でした。私も診察室で母の股関節のX線写真を見ましたが、右側は末期といわれる
状態ではないかと思いました。
手術を考えて、内科で、胸部X線写真 ・心電図 ・超音波 ・尿・血液・・・等々の
検査を受けました。
《 検査の結果 》
◇心臓、肺は大丈夫
◇腎臓は人工透析になる可能性がある(ほぼ大丈夫とは思うが)
◇貧血があるので輸血が必要になるかもしれない。
等の説明がありましたが、心配していることをお話しても手術は可能とのことでした。
そして、手術をするなら、母の年齢も考慮して、少しでも条件の良い早い時期に、と
云われました。
《 手術を受けることに 》
家族・子ども達で話し合って、このまま痛みを我慢して生活するよりも、
出来ると云われたことを信じて手術を受ける方が良いということになりました。
手をこまねいていても、母の体調は益々悪くなり、体力も落ち、このまま痛み止めを常用して
いけば腎臓の機能も落ちるばかりでいずれは人工透析になり、寝たきりになるのでは・・・
等々、長引かせても好転することは無いと考えた末の、不安がいっぱいの決断でした。
改めて、兄が母に入院して手術を受けるということを話しました。
母は、最初は嫌がりましたが、家族が勧めるのなら・・・ということで納得してくれました。
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